体は繋がっている:皮膚とお腹

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過敏性腸症候群(IBS)の腸運動や感覚は鋭敏と言われています。今日は皮膚の感覚についても、鋭敏かどうかのお話。 今回の論文は1万人規模を対象にした、皮膚の温痛覚、圧覚の研究。

 

“Increased pain sensitivity among adults reporting irritable bowel syndrome symptoms in a large population-based study”

Stabell N, Stubhaug A, Flagstad T et al. Pain 2013 ;154(3):385-392. 

 

参加者:total 11,361名、うちIBS (Rome ll)は597名(5.3%)。性別は健常男性 48%, 女性 52%、IBS群内男性37%, 女性63%。

方法:Heat testは皮膚に熱刺激をあたえ(32℃-50℃)、熱感覚が痛みに変わった時の温度を記録。Cold testは3℃の水槽に手を入れ、耐えられなくなったところで水から手を出し、痛みスケールで記録。

結果:IBSの腹痛が強い群では、冷刺激の痛みは強く、水槽に手を入れれた時間も短かった。温刺激では、痛覚閾値は低下。

腹痛が軽度のIBS群の結果と健常者群では有意差を認めてず。(年齢、性別補正あり)これらはどれも女性のほうが男性より強かった。尚、圧痛覚はIBSと健常者群で有意差なし。

 

大規模研究であり、性別のバランスもとれている研究です。ただ、筆者らも言っていますがが、その他の疾患などを考慮していないのがこの研究の限界でしょうか。

内臓と皮膚の信号:脳への道は遠くて近い?

知覚、特に腸の知覚経路は仙髄を経由して脊髄神経ー脳へと伝達されていきます。手の感覚は腸よりも上位脊髄を通って伝達が入力されていきます。とすると、内臓、皮膚の神経信号処理にともに関連し、更にIBSの脳機能画像などで活動差があるとされる、視床、島などの影響なのでしょうか。

体は思わぬところで繋がっている。そんな面白さを感じる論文です。人は進化の過程、種を守る過程で、この能力がどこかで生きたのではないでしょうか。。

 

 

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