炎症性腸疾患(IBD)の腸は過敏?

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IBD(炎症性腸疾患)とIBS(過敏性腸症候群)はどう違うのか。医者になりたての研修医でも「D」と「S」が違うと思っている人が少なくありません。実際、多くの共通点もあり、一方相違点も様々報告されており、これらの関係から腸の正体に迫れないか、研究が進んでいます。

 

IBDは緩解期に続く腹痛や下痢

“Refractory inflammatory bowel disease—could it be an irritable bowel?” 

Meng J, Agrawal A, Whorwell PJ. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2013;10:58-61

 本来、相互影響がなければ、IBD患者のIBS罹患率も15%前後になるはずです。しかし実際には潰瘍性大腸炎(UC)の33%、Crohn病の30-40%がIBSの診断基準を満たしていた。

 

考えられる因子としては、腸管免疫−炎症、腸管炎症などがあります。これまで、IBSは大腸内視鏡検査や一般血液検査などで異常を認めないといわれてきましたが、近年腸管粘膜の炎症性サイトカインや微小炎症が存在することが解明されてきました。高感度CRPなどもIBSでは健常者に比べて高値との報告もあり、非吸収性の抗生物質Rifaximinが効いたなど微小炎症がにわかに脚光を浴びてきています。

腸内細菌叢は腸管粘膜表面の受容体とカテコラミン、セロトニンなどの神経伝達物質を介して情報交換を行なっていることも相次いで報告されており、このあたりの関係も興味深いところです。

 

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