お腹痛い、身近な〇〇で少し収まるかも?

突然の腹痛、トイレに行って少しは楽になったけど、残っている感じがある。あー、もう、会議始まるんだけどどうしよう。そんな時のために、コンビニやスーパーなどでおなじみの〇〇をポケットに忍ばせておくと良いかもしれません。

腹痛と下痢や便秘などの排便異常を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」。病院に行く程ではないけど、ちょっとした何かで対処できないんだろうか…。そう思われた経験のある方は沢山いらっしゃると思います。

IBSの症状出現時は、ストレス関連ホルモンなどの影響で、腸の動きや知覚が行進しています。腸の平滑筋の活動を抑えてくれる作用をペパーミントが持っていると言われています。ペパーミントは胃の運動を抑える作用があり、既に上部消化管内視鏡検査用に製剤化されています(ミンクリア)。大腸への作用について、IBSとペパーミントの研究をご紹介します。Mint essential oil

IBS患者にペパーミントオイルは効果があるか:前向き2重盲検試験

Peppermint oil (Mintoil) in the treatment of irritable bowel syndrome: a prospective double blind placebo-controlled randomized trial.

Dig Liver Dis. 2007;39:530-536.

<対象>IBS患者57名。下痢型、便秘型、混合型混在。女性38名。

<方法>ペパーミントオイル群とプラセボ群にランダム割付。

4週間1日2回、カプセル内服。終了後4週間観察。

<結果>ペパーミントオイル群は内服4週後、終了4週後、ともにプラセボ群より有意にIBSスコア改善。内服後4週時点で、腹痛・腹部不快感、下痢、便秘(※注1)、腹部膨満感(ガス感)、残便感なども有意にペパーミントオイル群で改善。 

 

この研究では、ペパーミントが胃で効かないように、腸で溶けるカプセルを用いました。またプラセボ群では、ミントフレーバーを含んだオイルを用いています。私達が普段ペパーミントのタブレッツや飴などを食べる際に、どこまで腸に届くかは定かではありません。しかし、IBS患者は食事直後の腸運動が増えることが多かったり、胃のもたれ感や不快症状を併せ持つことも多く、効果があるかもしれません。ただ、ガムなどにキシリトールが含まれる場合、便をゆるくする作用があり症状を悪化させることもあるのでご注意下さい。

ヨーロッパでは昔より食後にミントを摂る習慣があったそうです。肉や乳製品など「重たい」食事が多く、胃腸に負担がくることも多かったのかもしれません。世界の食の知恵を、IBSの症状緩和に役立てられたら良いですね。

※注意1:この場合の「便秘型」とは過敏性腸症候群の便秘型を指します。腸管運動低下型の機能性便秘(いわゆる慢性便秘)の方は逆に悪化させる可能性もあります。

 ※注意2:日本で食用ペパーミントオイル販売は一般的ではないため、ご購入の際は体内の安全性などご注意下さい。またオイルの多量摂取は肥満などの影響もあります。

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