おなかハッカー管理人が医学書だしたらしいよー
どんな本、書いたんだろう?
“IBSの診かたでお困りですか? 内科外来診療術”
管理人が、臨床医としてこれまでの日常診療で医師や患者さんから頂いた疑問を、また研究者として、IBSの病態について様々な知見を紹介すべく、医学書の老舗南江堂さんより本を出版させて頂きました。
IBSの診かたでお困りですか? 内科外来診療術
中身の概要をご紹介しましょう。
「IBSはどんな疾患?」という臨床上の説明から、脳と腸の関連(脳腸相関)、消化管粘膜、腸内細菌そして遺伝子研究の情報までご紹介シています。また食後におなかの症状がでる方も多いため、食事を食べることで、どのような刺激が身体で起こっているのかなど、より身近に身体の変化をイメージできるような内容もあります。
若手医師の先生方、地域医療の先生方、また消化器内科でも機能性消化管疾患が非専門の先生方などからのご質問などをもとに記しています。IBSを始めとした機能性消化管疾患は最初に他の内臓疾患(大腸腫瘍や炎症、内分泌疾患など)を除外することが大切です。またガイドラインなどは、患者さんの自覚症状が中心ですが、診療の中でサポートとなりうる画像検査情報についても記載しています。そして処方薬について。個々の患者さんについて当院では使い分けることも多いですが、まずは書籍に書ける範囲で概要をのせています。
IBSの患者さんは症状のために、仕事や学校生活で困る場合もあります。また女性は月経前におなかの症状が悪化しやすいという話もよく聞きます。その他、日常生活上で工夫すると良い点、その理由についても解説しています。
なぜこの本を書いたのか
私自身、駆け出しの研修医時代に、腹痛と下痢を繰り返す患者さんがいました。内視鏡も採血検査も画像も「異常がない」と困ったときに何冊か専門書を手に取りました。しかしそれらは精神医学の観点から説明されたものが大半でした。
困っていたときに、丁度指導医の先生から紹介していただいたのが「RomeⅢ」。これは機能性消化管疾患の世界的ガイドラインで一般的な辞書くらいの厚さがあります。量にひるみながらも、関連項目を一気に読み終えた時、「その病態が内科学的におこっていて、それに準じて内科医が使える薬をどう処方すれば良いか、そして患者さんにどのように説明すればいいか」、まるで霧が晴れるかのごとく理解でき感動しました。
ただ、この本をすべての医療者が読むには負担が大きすぎます。本書は世界基準のRome診断基準本(最新はRomeⅣ)をわかりやすく紹介し、そして日本の医療現場向けにお役立て頂ければとの思いで作成しました。
そしてIBSで困っている患者さんを一人でも減らせれば…との思いで書いたこの本。医師だけではなく、過敏性腸症候群の症状でお困りのかたなどにも参考になるよう、できるだけ専門用語なども噛み砕いて書いています。どうぞお手にとっていただければ幸いです。
おなかで困っている人に役立ったらいいねー
ポチッとしてみるねー